学童保育を取り巻く環境について

学童保育を取り巻く環境について

小学生(低学年)が学校で過ごす時間は、年間で約1200時間。しかし、一方、放課後と長期休みに過ごす時間は、約1600時間。保護者が安心して働ける環境を確保すると同時に、子どもが豊かな放課後を過ごせることが重要です。
現在の学童保育を取り巻く環境は…?学童保育の現状は…?詳しく見ていきたいと思います。

1学童保育を取り巻く環境について

女性の社会進出、就労形態の多様化、核家族化が進むとともに、加えて、地域のつながりが希薄し、子どもが保育園から小学校に上がる際に、保護者が就労体系を変えざるをえない状況に直面する「小1の壁」。また、小学校に入学後、数か月経過しても小学校生活になじめない子どもが増加する「小1プロブレム」という様々な社会問題があります。

小学生の放課後 今と昔の変化

放課後事情は、昔と今とでは、大きく様変わりしています

文房具

  昔の遊び場 今の遊び場
子どもの数 兄弟が多く、従兄弟や近所にはガキ大将や幼なじみがたくさん 一人っ子の家族が多く、なかなか近所に友達が少ない
遊び場 公園、神社の境内、空き地、はらっぱなどで自由に遊んでいた 凶悪な事件、ボール禁止のなどの公園も多いので、公園にいる子どもが少ない
遊び方 暗くなるまで自由に遊び、地域と集団でコミュニケーション 習い事で忙しく、PCゲームを一人でやり、コミュニケーションが少ない
経済 お金がないので頭を使って遊びを創造した 子ども一人に対して、両親・両祖父母の合計6ポケットで何でも買ってもらえる
大人の関わり お隣や商店街など近所の大人が注意したり、安全への目配り 親、先生以外の大人の関わりが希薄近所の人との面識がない場合も多い

「小1の壁」

主に就労家庭において、子どもが保育園から小学校に上がる際、仕事を辞めたり、勤務時間を短くしたりするなど、就労体系を変えざるをえない状況に直面する社会問題を指します。

パレット

親の仕事面・勤務時間の問題
保育園では19時~20時など、遅くまで預かれるところが多いが、学童保育は18時までのところがほとんどなので、親は仕事を早く切り上げる必要があるという仕事面の問題
親の職場における周りの理解の問題
「小学生になれば、一人でもうお留守番できるだろう」という甘い認識など、職場仲間からの理解をあまり得られない。子どもが帰る時間までに帰宅できないという問題
学童保育の預け先が見つからない問題
施設の多くは、親が週3日以上就労していないと預けられない等の利用条件があり、入所資格制限(就労証明)が必要なので、なかなか預け先が見つからないという問題
小1ならではの戸惑いが発生する問題
幼稚園や保育園などでは「遊び」が重視されるが、小学校に上がると座学による学習が中心となり、この違いに戸惑う子どもはなかなか学校に馴染めず心細くなるという問題

「小1プロブレム」

小学校に入学後、数か月経過しても学校生活になじめない子どもが増加する社会問題を指します。幼稚園や保育園などでは、子どもたちの自発的活動としての「遊び」が重視されていたのが、小学校では、座学による学習が中心となり、時間割どおりに授業が行われます。子どもがこの違いに戸惑い、馴染めず、昨今深刻化しています。現在では、自治体によっては、小学校の先生を幼稚園に派遣するなど、幼稚園・保育園と小学校が連携しているケースや、授業時間を15~20分単位にするなど対応策が取られています。
小1プロブレム

2これからの学童保育はどう変わっていく

現在、政府は共働き家庭などが利用しやすいように「小1の壁」への対応を進めるとともに、学童保育の施設拡充と更なる保育の質の向上を目指しています。次世代を担う人材を育成するため、すべての就学児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動を行うことができるよう、公共の場(学校の放課後の空いた時間と場所など)と一体型した放課後児童クラブ及び放課後子ども教室の計画的な整備等を進めています。

放課後児童クラブ「数の拡大」

政府は2023年度末までに、学童保育で受け入れられる子どもの人数を、今より約30万人増やすことを目標としています。昨今の女性の社会進出とともに、結婚・出産後も仕事を続ける女性が増え、安心して子どもを預けられるような環境整備は、今後ますます重要になると考えられます。
放課後児童クラブ

[参考:クラブ数、登録児童数及び利用できなかった児童数の推移]

児童数の推移

[規模別実施状況]

登録児童数の人数規模別でみると、
40人までのクラブが、全体の約63%を占める。

円グラフ

[開所時刻の状況 (平日)]

18時半を超えて開所しているクラブが、全体の約60%を占める。

円グラフ

[設置場所の状況]

学校の余裕教室が約28%、学校敷地内の専用施設が約25%と小学校内での合計が
約53%、児童館・児童センターが約9%で、これらで全体の約63%を占める。

円グラフ

[登録児童の学年別の状況]

小学校1年生から3年生までで全体の80%を占める。

円グラフ

引用元:令和3年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(5月1日現在)

3新しい学童保育のかたち

学童保育のニーズが高まる中、公的サービスでは質的・量的にも完全には対応できないため、そのニーズに応えるためにできたのが、「民間学童保育」です。都市部を中心に、異業種企業が参入し、サービスの多様化が進み発展しています。

キッズベースキャンプ

民間学童保育の市場を切り開いたといわれる「株式会社東急キッズベースキャンプ」は、2006年9月に東京都世田谷区に1号店を開設しました。最長22時までの延長利用や、食事の提供、学校や自宅、最寄駅までの送迎サービスなど利便性や安全面のサービスを充実させています。
また、社会につながる人間力を育成する多彩なイベントプログラムなどを取り入れ、人材のクオリティにもこだわっています。キッズベースキャンプで生みだされた民間学童保育サービスをモデルとして、後発の事業者の多くがそのサービス等を取り入れています。WEB : http://www.kidsbasecamp.com/index.html

キッズベースキャンプキッズベースキャンプ

Hugpon!

名古屋市を中心に展開する民間学童保育です。お子さまの”ジブンでできる”を育み、毎日お仕事をがんばるお母様、大切なお子さまに寄り添い、踏み出す一歩を”ぽーん”と応援していくことを目指しています。WEB : http://www.hugpon.jp/

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